通勤列車連載4


   つららから次々落ちる水が、落ちた瞬間空に上がって、逆流する雨のように、反射する光の粒みたいに、彼女の肌で踊っている。降り続ける高音が彼女の耳を弾いた。僕は目の端で見ていた彼女を、瞳の真ん中に持ってきた。軽いのに厚みのある低音がして その細い肩を包んでいく。転がるようなリズムで音楽が跳躍すると、途端にまた高音の雨が降って、彼女の睫毛が濡れだした。僕が見つめる視線の先で、
(充電無いのでここでやむ無し)